おうちで始める予防歯科!学童期の歯を守る生活習慣|鶴岡市の歯医者

おうちで始める予防歯科!学童期の歯を守る生活習慣

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院

歯科医師・院長 石田 修

https://linktr.ee/ishidaosamu.dc

 

鶴岡市文園町にある石田おさむ歯科医院、院長の石田です。

学童期(6歳〜12歳)になると、子供たちは少しずつ自分で考え、自分の意思で選択し行動する場面が増えてきます。

しかし、その選択肢を与えるのは保護者やご家族の役目です。どのような選択肢を与えるかによって、子どもの生活習慣に直接影響を与えます。

学童期に身についた習慣は、長い人生での基盤となるため、正しい生活習慣を身につけることが将来の健康にとって重要です。

今回は、日々の生活習慣で歯を守るポイントとなる「セルフケア」と高い防御機能を持つ「唾液の役割」についてお伝えしていきます。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

■正しいセルフケアの習慣

子どもの歯の健康を守るためには、日々のセルフケアが非常に大切です。学童期は、乳歯から永久歯へと移行する重要な時期であり、この時期に身につけたセルフケアの習慣が、将来の歯の健康に影響を与える可能性があります。家庭内で正しい指導と実践によって、子供たちの歯への健康意識を高め、虫歯や歯肉病を予防していきましょう。

 

毎食後の歯磨き習慣

習慣化すべきセルフケアのポイントとして、特に重要なのは「食後の歯磨き」です。食べ物の残りかすやプラーク(細菌の塊)は虫歯の原因となるため、毎食後に歯磨きをすることが最も大切です。

また、最近の子供たちは昔に比べて就寝時間が遅く、夕食後から就寝までの間に糖分の入った食べ物や飲み物を摂取する機会が増えています。虫歯菌は唾液の減る夜間に増殖するため、むし歯にかかる危険性が高くなっています。できるだけ間食を取らないことはもちろんですが、寝る前の歯磨きと保護者の方による仕上げ磨きを必ず行うにしてください。

まだ定期的に歯科受診されていない方は、子供のブラッシングが正しくできているか確認してもらうことがおすすめです。歯磨きの重要性や正しい歯磨きの方法を直接教えてもらうことができます。

将来の歯を守るため、学童機に歯磨きの重要性と正しい歯磨きの習慣づけていきましょう。

 

デンタルフロスで歯垢を除去

歯ブラシだけでは、丁寧に磨いたつもりでも磨き残しが発生します。実際に、「歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを約60%しか除去できない」といわれています。子供たちのお口の中を見たとき、歯と歯の間に隙間がない場合は、歯ブラシの毛先が届かずプラークや食べかすが残ってしまう可能性があります。

特に学童期は、永久歯が生えてくることで今まであった歯と歯の隙間が詰まり、汚れがたまりやすくなります。そのため、1日1回は仕上げ磨きと一緒にデンタルフロスも使用してください。デンタルフロスを使用することで、歯と歯の間の汚れを効果的に取り除き、虫歯や歯肉炎を予防することができます。

 

フッ素入りの歯磨き粉で虫歯予防

フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯の原因となる酸に対する抵抗力を高めます。また、初期の虫歯を再石灰化し、進行を防ぐ効果もあるため、毎日の歯磨きにフッ素入りの歯磨き粉を取り入れることで、虫歯予防を強化することができます。

フッ素入りの歯磨き粉を使用する際のポイントと注意点

①すすぎは少ない水で1回だけ

歯磨き後に何度も口の中をすすいでしまうと、口の中に残るフッ素の量が少なくなってしまいます。歯磨き後は5~15mlの少ない水で5秒間程度ブクブクと1回だけすすぐことをおすすめします。また、歯磨き後は1~2時間は飲食を控えるとさらに効果的です。

②虫歯になりやすい就寝前の使用がおすすめ

フッ素はエナメル質を強化し、虫歯を引き起こす酸による攻撃から歯を保護します。寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、口の中の自浄作用が低下するため、細菌が繁殖しやすい状態になります。就寝前に使用することで、睡眠中にフッ素が長時間歯に留まり、効果を発揮しやすくなります。

③適正量を守る

歯磨き粉は、1度に大量に使用すれば良いというものではなく、年齢に応じて適量を守ることが大切です。正しく扱えば安全性も高く、虫歯予防にも高い効果が期待できます。

年齢 フッ素濃度 (ppm) 適正使用量
0〜2歳 1000ppm以下 米粒大(約0.1g)
3〜5歳 1000ppm以下 グリーンピース大(約0.25g)
6〜12歳 1000ppm〜1500ppm 小豆大(約0.5g)
12歳以上 1000ppm〜1500ppm 1〜2cm(約1〜2g)

 

 

■唾液の役割と分泌を促進する方法

私たちの日常の食事は、口腔内の唾液分泌に大きな影響を与えます。唾液は口内を清潔に保ち、消化を助け、味覚の感知を担うなど、多くの重要な役割を果たしています。また、唾液には防御機能があり、虫歯の予防にも重要な役割を果たしています。

 

唾液が果たす役割

唾液には口内環境を調整する役割があります。唾液は抗菌成分を持ち、虫歯の原因菌の増殖を抑制し、酸性度を調節して歯の再石灰化を促進します。また、咀嚼時に分泌される唾液は食べ物のかすを洗い流し、汚れが蓄積するのを防ぐ効果もあります。さらに、唾液に含まれる消化酵素は食品の分解を助け、摂取した栄養成分の吸収をスムーズに行い、全身の健康を支えています。唾液が豊富に分泌されることで、歯と全身を健康に保つ本来の防御機能が働きます。

 

唾液分泌を促す食べ物

しっかりとした食感のある食べ物を噛むことで唾液の分泌を促すことができます。リンゴやニンジン、セロリなどの生野菜などを食べることで、咀嚼器官が刺激され、唾液が多く分泌されます。日々の食生活にも目を向け、唾液の分泌を促していきましょう。

 

唾液分泌を促す習慣

十分な睡眠は唾液の分泌を正常に保ち、免疫力を高め口腔内の感染症(虫歯や歯肉炎など)に対する抵抗力を強化します。逆に睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、歯の発育にも悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、ストレスが多いと無意識に歯ぎしりや食いしばりをしてしまい、歯の磨耗や亀裂、噛み合わせの悪化を引き起こすことがあります。ストレスは、唾液分泌も減少させ、口内が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが増加させます。また、食欲が変動し、糖分の多い食品を過剰摂取する傾向があるため、歯と全身の健康に悪影響をもたらしてしまいます。

良質な睡眠環境の整備と子どものストレス管理は歯の健康維持にも重要です。

 

水分摂取と唾液の質

唾液の分泌量だけでなく、唾液の質も口内環境に大きく影響を及ぼします。唾液の粘り気や成分は水分摂取によって変化し、脱水状態になると唾液は粘性が増し、口内が乾燥しやすくなります。そのため、十分な水分摂取も大切なポイントです。

食学童期の子供たちは遊びなどに夢中で水分摂取を忘れがちですので、保護者やご家族が適切に誘導してあげることが、良好な口内環境を維持することに繋がります。

スポーツドリンクでの水分補給の注意点

スポーツドリンクは、汗で失われた水分や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)をすばやく補給でき、熱中症対策やスポーツパフォーマンスの維持に役立ちます。しかし、スポーツドリンクには多量の砂糖が含まれ、酸性度も高いため、飲み方に注意が必要です。飲み方を工夫しないと虫歯のリスクを高めてしまいます。

そのため、当院では砂糖を使わない自家製ドリンクでの水分補給がおすすめしております。準備するのは、水300ml、レモン汁大さじ2、塩ふたつまみです。レモンのビタミンCやクエン酸と塩のミネラルを補給することができますので、ぜひ試してみてください。

 

■まとめ

学童期は、少しずつ自分で考えられるようになる時期です。何が良くて何が悪いのかしっかりと伝えることで、自分の歯を大切にする意識を持てるようにサポートしてあげてください。

一度身についた生活習慣は生涯にわたって影響を与える可能性があります。正しい生活習慣を身につけ、歯の健康を守っていけるよう家族全員で取り組んでみてください。

次回は、乳幼児期から学童期に変化する食生活の注意点と、カルシウムをはじめとする栄養素の重要性や糖分による虫歯リスクを避ける方法、バランスの取れた食事の指針について、家庭でできる予防対策をお伝えしていきます。

 

 

👉【山形県歯科医師会】子育て応援団 親子の歯の健康アラカルト

👉【日本小児歯科学会】こどもたちの口と歯の質問箱

👉石田おさむ歯科医院公式Instagram

👉24時間オンライン仮予約

 

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院

歯科医師・院長 石田 修

https://linktr.ee/ishidaosamu.dc