歯医者ではどんな検査を行うの?|鶴岡市の歯医者

「歯医者ではどんな検査を行うの?」

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院

歯科医師・院長 石田 修

https://linktr.ee/ishidaosamu.dc

 

 

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INDEX

当院が初診時に行なっている検査について

  1. 位相差顕微鏡検査
  2. 歯周組織検査
  3. レントゲン検査
  4. 口腔内写真検査
  5. 唾液検査
  6. 歯周病細菌遺伝子検査

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鶴岡市文園町にある石田おさむ歯科医院 院長の石田です。

 

これまで歯医者を受診されたことがある方は、いくつかの検査を受けた経験があると思います。

どの検査にもそれぞれ目的がありますが、説明を受けたことはあるでしょうか?

 

大切なあなたの歯と全身の健康を守っていくためには、必要な検査をしっかりと行い検査結果に基づく診査診断が不可欠です。

 

今回は、当院が初診時に行っている主な検査の内容とその目的についてお話していきます。

これは、前回お話した「歯医者を選ぶ際のポイント」にも繋がりますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

▼前回のブログはこちら

「歯医者を選ぶ際のポイントとは」

 

 

当院が初診時に行なっている検査について

 

当院では、お口の中の視診にくわえ、上記(オプションを除く)6種類の検査を初診時に行なっております。

これらの検査結果から、総合的な診断を行い全体の治療計画を立てていきます。

 

虫歯や歯周病などの病気になる原因を調べ「発症予防」することと、治療後の「再発防止」にもこれらの検査は必要になります。

 

 

1 位相差顕微鏡検査

 

お口の中の細菌を顕微鏡で拡大し、形態(姿・形)や活動性をリアルタイムで観察することでリスクを予測するための検査です。

 

「口の中に細菌?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、お口の中には約700〜800種類、多い人だと1,000種類を超える菌がいます。これらは「常在菌」と呼ばれ、日々お口の中で生息しています。

 

しかし、すべての常在菌が悪いわけではありません。その中にいる病気の原因となる虫歯菌や歯周病菌などが活性化することで病気を引き起こしています。

 

より身近なものとして、腸内細菌をイメージしてみてください。腸内にもビフィズス菌や乳酸菌、大腸菌といった様々な菌が生息しています。人間の体に必要な栄養素を分解し、吸収するのを助ける細菌もいれば、お腹を壊してしまう原因となる細菌もいます。

それと同じように、お口の中にも良い菌もいれば悪い菌も生息しています。

 

これらの細菌は常在菌として、お口の中に定着しているため、歯磨きをはじめとしたセルフケアを丁寧に行なったとしてもゼロにすることは出来ません。そのため、病気の原因となる細菌が少ない状態を維持していくことが重要です。

 

位相差顕微鏡検査は、今お口の中にいる細菌の種類や活動性を予測することができる検査ですので、その後の診断や治療過程でも参考となる指標になります。

 

 

 

2 歯周組織検査

 

歯周ポケットの深さや歯ぐきからの出血の有無、歯のグラつきなどを検査し、炎症の程度から歯周病の進行具合を調べます。

 

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にある溝のことで、専用の道具を使ってその溝の深さを測定します。

4ミリ以上の深さがある場合は、歯周病が強く疑われます。出血も見られる場合は炎症が発生しており、現在も歯周病が進行していることを意味します。

 

歯周病が進行すると「歯槽骨吸収」と言って歯を支える骨が痩せていきます。それに伴い、歯ぐきも下がっていきますし、下がった歯ぐきは自然に戻ることはありません。最悪、そのまま放置していると歯がひとりでに抜けてしまう「自然脱落」という状況まで繋がりかねません。歯周病は、治療と適切なセルフケアを行うことで、歯周ポケットの深さを浅くしたり、出血を止めることが可能です。

 

治療の過程でも何度か歯周精密検査を行い、改善状況を確認していきながら治療を進めていきます。

 

 

 

3 レントゲン検査

 

虫歯の有無や進行具合、親知らず、噛み合わせ、顎の関節、歯を支える骨などの表面からは見ることができない歯やお口の状態を確認するための検査です。

 

定期的に検査することで、虫歯や歯周病などの早期発見にとても有効的で、適切な診断をするためには欠かせない検査の一つです。

 

 

 

4 口腔内写真検査

 

お口の中を決められた規格で撮影できる専用のカメラを使い、歯ぐきの色や赤みの有無、歯石の着き具合、被せ物の状況、噛み合わせなどを確認し、治療の計画を立てる際に使用します。

 

また、初診時だけでなく定期的にお口の状態を写真として記録することで、経年的な変化も把握することができます。

 

 

 

5 唾液検査

 

虫歯の原因には個人差があり、一つの要因で虫歯ができるわけではありません。

 

唾液検査では、唾液に含まれる虫歯菌の量や唾液の分泌量、唾液緩衝機能(酸性に傾いたお口の中を中性に戻す力)を調べていきます。

この検査結果から、一人一人にあわせたセルフケアの指導や治療の提案を行います。セルフケアのタイミングや回数、間食の習慣がある方には、食事指導なども併せて生活習慣とお口の環境を改善していきます。

 

発症及び再発の予防のためには、唾液検査で唾液の質や状態を知ることが重要です。大切な歯で一生美味しく食事をするためにも、虫歯の原因を知り、虫歯治療を繰り返す “無限ループ”から抜け出しましょう。

 

※当院で使用している唾液検査キットは、予防歯科医療の進んだ北欧の大学や公的機関でも使用されており、信頼性の高い検査キットです。

 

【唾液検査で知ることのできる菌の種類】

  • ミュータンス連鎖球菌 … 虫歯の原因菌
  • ラクトバチラス菌   … 虫歯の進行に関与している菌

 

 

 

6  歯周病細菌遺伝子検査

 

歯周病を引き起こす原因とされる細菌の種類と量を正確に把握するための検査です。

 

どのような菌がどのくらいいるのかを数値で把握することで、より適切な診断や治療を行うことができます。

 

歯周病は、歯を失う1番の要因であるだけでなく、糖尿病や高血圧、心臓疾患などを併発するリスクの高い病気であることがわかってきています。今や成人の8割が歯周病にかかっているにも関わらず、全身疾患へのリスクに対する認知度はまだ高いとは言えません。病気を予防し健康的で豊かな生活を送るためには、歯周病の予防と管理がとても重要です。

 

まずは、遺伝子検査の結果から自身の歯周病の状態を知り、その上で効果的な治療と歯科衛生士によるプロフェッショナルケアでお口と全身の健康を守っていきましょう。

 

【歯周病と関連が高いとされる主な病気】

糖尿病、肥満、狭心症・心筋梗塞、誤嚥性肺炎、早期低体重児出産、骨粗鬆症、免疫・アレルギー疾患、自己免疫・皮膚疾患、認知症など

 

【歯周病細菌遺伝子検査で知ることのできる菌の種類】

P.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)

歯周病菌の中で一番悪性度が高く、歯を支える骨を溶かす作用があります。血液を好む細菌ですので、血管を通り全身疾患(糖尿病、動脈硬化、早産など)に影響を与えます。

 

T.d菌(トレポネーマ・デンティコラ)

Pg菌などと共凝集することでバイオフィルム(細菌の塊)を形成します。嫌気性の細菌(空気を嫌う菌)で、歯周組織の中や血管の中にまで侵入し免疫反応を抑制する働きがあるため、体調不良の要因になる可能性もあります。らせん状の細菌ですので、位相差顕微鏡検査で確認が可能です。

 

T.f菌(タネレラ・フォーサイセンシス)

歯周病の進行期、活動期に多い菌です。歯周ポケットが深い方から多く検出されます。

Pg菌やTd菌と一緒に検出されることが多く、除菌しにくいため繁殖しやすい細菌です。

 

A.a菌(アグリゲイトバクター・アクチノミセテムコミタンス)

侵襲性歯周炎、慢性歯周炎を引き起こす細菌で、非常に悪性度の強い細菌です。

 

F.n菌(フソバクテリウム・ヌクレアタム)

プラーク(歯垢)の中に多く含まれています。他の菌と集まることでバイオフィルムを作ります。主に口臭の原因となる菌です。

 

 

 

以上が初診時に行う主な検査の内容です。適切な検査を行い、根拠を示すことは医療を提供する側の責任ですが、検査を受ける患者さんも検査の目的を知り、検査結果をしっかりと理解することではじめて適切な治療を選択することができます。

歯や歯ぐきの健康を保つことは、お口だけでなく全身の健康にも影響があるため、当院では初診時の検査を最も大切にしています。

 

 

山形県 鶴岡市 医療法人石田おさむ歯科医院

歯科医師・院長 石田 修

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